映画「コンテイジョン」は誰もが楽しめる映画の形をした、パンデミックの教科書。

映画「コンテイジョン」製作者が100億円でコロナ対策を支援 | Forbes JAPAN(フォーブス ジャパン)

イーベイの初代プレジデントを務めたビリオネアで社会起業家のジェフリー・スコールは先週、新型コロナウイルスとの戦いに向けて1億ドル(約106億円)を、自らの名を関したスコール財団(Skoll Foundation)に寄付すると宣言した。同財団の資金は、これまでの4倍の2億ドルに膨らんだ。

「コンテイジョン」の製作者が寄付

ウイルス被害をリアルに描いた映画「コンテイジョン」その、製作者が新型コロナウイルス対策のために、1億ドルをスコール財団に寄付しました。

同氏は自然環境や、疫病に対して強い危惧を発表しており、映画会社を設立し「不都合な真実」や「コンテイジョン」を制作してきました。

「コンテイジョン」は昔レンタルで観ていましたが、この間、気になってNetflixで観直しました。

たたみ掛けるような緊張感のある演出、スター俳優たちの名演、スキのないストーリ、どれをとって質が高く、9年前の映画ですが、色あせておらずとても満足しました。

上映当時、正直どうしてこれだけの名監督とスター俳優を使って、ウイルスの話だろう?テロとの戦いとは、暗躍するスパイ、最近では麻薬戦争等々、人目を引きつける題材はたくさんあるのに、一見地味なウイルスなんて。同じウイルスものなら、ゾンビでしょう。なんて、チラッと思いました。

それが、今年になってから新型ウイルスが猛威をふるい、世界中で深刻な影響を与えている状態になって、この作品の重要さがしみじみ感じられます。

有名も無名も等しく、場所も人種も関係なく、厄災を与えるウイルスの恐ろしさを、可能な限り正しく描いています。実際、このような状況を予言しているように、ウイルスが広がる経緯と共に、人の世界がどうなっていくのか、どうすればいいのかを伝えてくれます。

感染の実態を描く

ウイルスがいとも簡単に、感染していく様を描いていました。それは手洗いやうがいの大切さを教えてくれます。

初めに発症した女性、(これがなんとグウィネス・パルトロウ!普通なら無名の俳優がやるでしょう。おまけに、冒頭で悲惨な亡くなり方をしてしまうのが二度ビックリ!)が、感染したまま触ったグラスやスマホ、手すり、を別の人が触ると、その人がどんどん感染していく。

日頃何気なく触っている、バスの手すり、エレベータのボタン、階段の手すり等々がどれほど感染の危険があることがわかります。

外出した時にはこまめに手洗いとうがい、それに不用意に触らない。それの重要性を映画から教えてもらいました。

映画を通して警告

ジェフリー・スコール氏は昔から世界パンデミックを警告しており、そのため意識を少しでも高めるために、この映画を作ったのでしょう。

それにしても、今の状況とあまりにも似ており、感心してしまいます。ウイルスの発生地が同じ中国。(これには色々話がありますが)それも、野生のコウモリが関係している。

ウイルスがパンデミックを起こす当初は、誰もがさほど関心を見せず、対応が遅れる。

被害が出て、医療崩壊を起こし始めた時には、ほぼ手遅れ。その期に乗じて、とんでもニュースを流す自称正義と真実の発信者が出て来る。

物語は、食料品が枯渇して、市民生活で必要なインフラが破壊し、軍による管理と配給になる。そして、至る所で暴動が起き、社会が壊滅的な被害を受ける。

など、順を追って、社会の変容を描いていきます。徹底した自宅待機、学校の休校、食料品の棚が空になるなど、今見覚えのある場面が多々出てきて変な納得感があります。

医療崩壊の恐ろしさ

悲惨だったのが、医療崩壊。

孤軍奮闘、地元に乗り込み病気の原因を探りながら、パンデミックへの対応を行なっていたケイト・ウィンスレット(これまたアカデミー女優)演じる女性担当官。

なかなか協力してくれない、地元自治体とやりとりしながら、昼夜を問わず対応し、最後は感染。そして、まともな治療を受けることなく、亡くなってしまいます。それどころか、亡骸は穴を掘っただけの、共同埋葬場の中に。

その他、ウイルスのワクチンを開発する女性研究員の父親が、医者として最後まで治療をし続けて、最後に亡くなる。などなど、悲惨な状況を映します。

どれほど、深刻な事態になるのか見せられますし、このような事態になることを想定して、場所や物資、人の確保が必要なのだと教えられます。

パンデミックの教科書

この作品、映画としての形をとっていますが、パンデミックへの対応を教える教材。それを今観直し、改めて感じました。

手洗いうがいを念入りにして、人が集まる場所は必死に避ける。それを続けていくつもりです。

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