凡庸雑記「チェンソーマンの金」

ちょっとだけホットしたことがあったので、ちょっとだけ書いている。

「チェンソーマン」の円盤がまったく売れておらず、MAPPAの経営が瀕死状態。存続も危ぶまれるかも。なんてこともちらほら聞こえてきたので、心配で仕方がなかった。

そのことを前に書いたら、そんな心配はしなくていいですよと、教えてくれて、今の世の中円盤だけが人生(金儲け)じゃぁないと知って安堵した。

で、これが公式に証明された記事が東洋経済に。

5月の東洋経済特集「アニメ熱狂のカラクリ」の中、MAPPA代表取締役の大塚学氏のインタビューが載っていた。その中、「チェンソーマン」は収支においては完全に成功だったと語っていた。

もちろん、賛否両論激しい作品で、特に漫画読者からは、スピード感が失われたと手厳しい評価があったりした、そのせいか、「呪術廻戦」ほどのインパクトは無く満足は完全ではないとも。

僕個人としいては、近年稀に見る思い切った唯我独尊ギリギリの演出とクオリティに、新鮮な感動と愉快さを感じた。5年に一作ぐらいは、世の中がこうだろうと想像する斜め上を飛んでいく異質な微妙な作品の“必要性“を実感した。

この作品、異例の「100%出資」と謳って話題になった。

あんまりアニメ制作の仕組みには詳しくはないのだけど、OPの最後に必ずと言っていいほど、製作委員会なるものが現れてくる。どうも彼らが儲かるかどうか至極不安定なアニメという表現手段に、大枚を叩いて博打の如く金を出している模様。彼らのおかげで普通は制作の循環が回り、創られている。ようだ。ようわからんけど。

だからと言ってはなんだが、いや、だからこそ、利益の大半は彼らで仲良く分けて、残りが制作している会社に落ちてくる。(これまた、そのようだ。ようわからんのだけど。)

記事の中でも誰かが語っていたが、絵を描いて作っている本人が一番儲かっていない。それはおかしくないか?と、疑問を吐露している。

そこで、金銭的なリスクは背負うのだけど、利益が直接跳ね返ってくる「100%出資」に果敢に挑戦したようなのだ。「進撃の巨人」「呪術廻戦」「ドロヘドロ」などなど、話題作を作成した、若くて勢いのある会社だからこそ、未来を見据えて挑戦したってところだ。

だからこそ、賛否両論になったとしても、あの、緩急激しく、キレのあるスピード感満載で描いていたと思えば、妙なところで独特のゆったりテンポで、病的に細かに見せる偏屈演出ができた。(漫画読んだ人からはこれが最悪と散々叩かれているよう)良くもまあ、無謀と言えばそうだけど、それをやれる勇気があったなあと感心する。

おかげで、ネットを開けば、罵詈雑言が飛び交うことになったのだけど。

それでも、僕個人はとんでもなく楽しんだ。絶対的に次を期待してる。願わくば維持を通して、一期のままの演出で突き進んで欲しい。一般的には嫌われるかもしれないけれど。

それに、観た後、YouTubeで海外のレビュー動画をみていたのだけど、結構、熱狂的に満足して観ている人がいて、勝手に同志と親近感を抱いている。

体が刺青だらけの、コワモテのお兄さんが、最終話を見た後に、しみじみとこれからどうすればいいのかと途方に暮れていた。すげ〜響いていたんだと、嬉しくなる。僕には何にも関係ないけれど。

日本でダメでも、案外、世界のどこかではこの「チェンソーマン」を熱狂的に受け入れてくれる人もいるのだろうから、もう、広く浅く世界津々浦々で、投げ銭集めをした方がいい。絶対そう思う。

そりゃ、日本でDVDがバカ売れした方がいいのかもしれないけれど、それだけじゃなく、必要としている人は、世界広しにいるのだと、もっと、こだわった偏屈な作品を作るべきだ。なんて、思ったりしたりして。

それにしても、潰れる、関係者クビ!、傾くなんだかんだと、散々だったけど、ある程度の収益は得られた様子。二期はきっと、やってくれるだろうねMAPPAさん。楽しみにしている。

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