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戦略が見えないときには、一見無駄な試行錯誤を小さくいろいろとやってみる。企業も人生も。

↑この記事のネタ元です。

「一見無駄な試行錯誤を小さくいろいろとやってみる。」

今、三谷 宏治 氏著作の「経営戦略全史」を楽しく読んでいます。経営戦略なんて、全く今の自分の立場にはまったく関係ないなのですが、妙に興味があって大体の戦略ものは目を通しています。

一言経営戦略と言っても、雨後の筍のようにどんどん出てきて、数限りなくあります。すでに時代の中で淘汰されたものもあるし、今なお、十分使える古典的な経営戦略もあります。

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ただ、それらは時代の必要性に迫られ現れてきたものなので、誤りだったとか、古いなどと簡単に切り捨てられることではなく、それぞれが密接につながっており、ひとつな歴史としてマクロ的に知ると、面白い風景が見えてきます。

その風景を、丁寧に広げて指をさしながら説明してくれたのが、本書「経営戦略全史」です。

ちゃんと、経営戦略論を学ぶことはとても面倒なことです。単なる理論だけではなく、作られた時の時代背景と、そこで生きていくために試行錯誤した人間の思考が密接に絡んでいます。戦略論はありていに言えば、生きたいという思いが知恵に昇華した理論です。失敗すれば社会的に死んでしまうのですから。それに、本当の戦争ならば、戦死してしまいます。

本書を読むと、時代の中で様々な戦略が生まれては消えていることを知ります。その時代時代で、最高の頭脳が、成功している企業や社会の動きを、鋭く、丁寧に、そして強固な論理性で戦略を掘り出します。それを基準として多くの企業が、行動を起こして結果を出してきました。

しかし、最後まで読み進める中で、永遠と言える崇高で強固な戦略は決してなく、わずかな時代の変化で、成功していた企業が、風に吹かれる木の葉のように、衰退していくことを知ります。成功が成功を生み、持続させるのではなく、成功が失敗を生みました。

そのことは、クリステンセン「イノベーションのジレンマ」が詳しく語っています。同著の中で「破壊的イノベーションは遠く離れたところかは密かに始まる」と書いています。まさに、成功の真っ只中から、次の成功が生まれのではなく、誰もが知らない場所から、予想外の展開をし成功が生まれてきます。

本書「経営戦略全史」では、戦略論の締めくくりとして、今の時代はあまりにも変化が早く、ほんのすこし先も予想がつかない。それに対する戦略は、戦略でない戦略、あらゆることを想定し、一見無駄な試行錯誤を小さくいろいろやってみながら、経営を進めていく「試行錯誤型経営」だと紹介しています。

形にはまらず、柔軟性を持ち、ある時はボトムアップ、またある時はボトムダウン。また、柔軟な組織体制で、小刻みにビジネスを組み立てて、実行していく。現代の戦略は現場での試行錯誤と、フィードバックのみ成立すると解きます。

本書は企業経営のための戦略をとり扱っています。しかし、それだけでなく、個人的な人生戦略を思考するためにも必要なアイデアがこめられています。特に、試行錯誤経営論は今の不安定な世相と、社会人の立場に合致しています。一企業で一生終える賃金と、待遇を得ることはますます難しくなり、企業内での仕事も自らで開拓しなくてはいけますし、会社以外に視野を広げて、いろんな試行錯誤を行っていなければ、足元をすくわれることになりかねません。

とにかく、来年はいろんな意味で足元をすくわれた一年でした。人生は平坦に続くものではないと、恥ずかしながら実感しました。そのため、今年は人生「試行錯誤型経営」を実践しなくてはと考えています。できれば、クラウドビジネスで簡単ながら仕事をして、わずかでも利益を得ていくつもりです。はじめは小さくとも、多くえ得るきっかけとして。

それにしても、今年はどんな戦略論が出てくるのでしょうか。実に楽しみです。

 

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