普通とはいいものです。別段革新的でもなく、刺激的でもなく、身の丈にあった世界が繰り広げられることは、心地よいものです。

この度見たスターウォーズ最新作の「スターウォーズ 最後のジェダイ」は、普通の良さをしみじみ味わえた作品です。

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映像技術が目覚ましい発展を遂げる、ハリウッドの映像作品の中、人の認識力を嘲笑うごとくの、目まぐるしい展開を抑えて、一呼吸を置いて、今起こっていることを、理解させてから進む物語は、なんとも優しさに満ちていました。

写真を嗜み、画の形に重きを置いて、映画を堪能する癖がある我が身には、構図を固め動きを効果的に見せていく、この監督の演出と、編集がとても気に入りました。

正直、今回はスターウォーズを観ないで行き過ぎるままにするつもりでした。世の中の人々が、好意を抱かなかったからです。

スターウォーズはもともと、さほど気にいる作品がありません。他人の評価も低い。時間があったとしても、観た後に苦々しい気持ちに満たされるのは、とても哀しい。前回もそうでした。あの、思いはしたくなかった。

しかし、観続けた作品群。このままこれで終えるのは如何ともしがたく、流れにまかせ、えいゃと、目をつぶり映画館に飛び込んだのです。

今こうして、感想もどきを書いていますが、結果としてその決断が良い方向に傾いたことを、喜んでいます。

人の好き嫌いは、その人だけのものです。人がとやかく言ったところで、変わるものではないし、変えてはならないものです。

改めて、そのことをこの身に染みて分かりました。

この映画が、稀代の大傑作とは言えません。脚本の粗さはスターウォーズシリーズの伝統となっています。この作品も例外ではない。

御都合主義万歳の展開、陳腐な存在の善人や悪党に、へきへきしてしまいます。

それでもこの作品が、愛すべきものであることは、変わらないでいます。

脚本や演技など、些末なこととして眼中に入らないのは、ひとえに構図の美しさゆえです。それだけを、楽しめただけで、十分満足です。

そして、再び観なくてはと、心に決めています。

創作作品と言うのは、人を判断の基準にしてはいけない、すべきではないことを、このような作品と出会うたびに知ることになります。

人それぞれ、琴線にふれる部分が違う。それは良い悪いではない。

どれだけ感性が鋭敏な天才が、最上の賛美を投げかけたとしても、何ら響かない作品があれば、その逆もあります。

この映画も、僕は無邪気に絵作りの上手さに酔いしれましたが、今や映画の伝道師、映画の権威者となった、ライムスター宇多丸氏は、落胆の言葉を残しています。

彼の語る意味も分かります。その部分がお粗末なのは事実です。それでも、好きなのは別の希望を与えてくれたから。それが響いたからです。

これからも、人の意見はいい参考と心に留め、なるべく自らの目で確認したいと思います。

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