退屈で睡魔に襲われながら観たけど、忘れられない映画「ブレードランナー 2049」

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る






 

Blade Runner

退屈で睡魔に襲われながら観たけど、忘れられない映画「ブレードランナー 2049」

とにかく書かないとスッキリしないので、内容はともかく、感想を書いてみます。

一体何の感想を書くのか。それは、言わずと知れた、「ブレードランナー 2049」

正直な話、最近作られたハリウッド映画で、これほど退屈で睡魔に襲われた作品はなかったのです。

スポンサードリンク



広角を多用した風景がゆっくりと映し出され、少ないが印象的な会話、一つ一つ丁寧に演じられる演出。なんだか、睡眠にはもってこいの内容です。この、強烈な睡魔は、確か見覚えがある。そう言えば、町山智浩氏がこの映画の監督が、タルコスフキーにリスペクトして作った解いていたのを思い出しました。

そうだ!この、延々と続く睡魔は、タルコスフキーの映画そのもの。彼の映画は、苦行のような睡魔との戦いの果て、最後で鮮烈な終焉を迎える。その瞬間、先ほどの、眠さに苦しみ身悶えしたことはすっかりと消え去り、感動に打ち震える。

映画が、時間芸術だったことを、強烈に知るのです。

この映画「ブレードランナー2049」は、それを完全に複製した作品。物語の進行、そして、終焉、見事に同じです。まるで、レプリカントみたいに。

そう言えば、「犠牲」と言う言葉が、主人公の最後に選ぶ行動の、重要な鍵となります。タルコスフキーの作品の中にも、「サクリファイス(犠牲)」と言う作品があり、やはり意識していたのかもれません。しかし、睡魔と戦いつつも、実際寝てしまったのかと言うと、一瞬たりとも目を閉じることはありませんでした。

どんなに、銃撃戦をしようが、爆発しようがハリウッドのアクション映画では寝てしまうのに。

そして、これまた不思議なことに、観終わった後、あれだけ睡魔に襲われたシーン一つ一つが、何度も何度も頭の中に浮かび上がり、その都度、心に深く突き刺さります。

頭の中がシーンで満たされるたびに、この映画の意味と価値を、考えてしまうのです。

時々、こんな映画と出くわします。観てた時には、さほど感じないのに、映画館から一歩出て、日常に戻った時から、頭中に物語の断片が細かく鮮明に浮かび上がり、深く心に残ります。

逆に、映画を観ている時には、楽しく夢中にさせてくれるのですが、映画館を出た瞬間に、すっかり頭の中から消えて思い出せない作品もあります。

なかなか不思議な映画の世界です。

こうして、浮かび上がるシーンを頭の中で味わいながら、考えたのですが、この物語は壮大なSF作品。レプリカントと人間の高尚な争い、滅び行く世界の苦悩なとなど、人間の意味とか価値とか、エトセトラ、エトセトラ多くの内容を広大な映像と、ゆったりとした進行の中に、これ以上なく精緻に組み立てられているのですが、その実、それらは空虚しかなく、たったひとつ見るべきで、知るべきは、レプリカントである主人公の、一生。

一人孤独の中で生活し、誰からも見向きもされなく、絶対的な差別を受け、日々を淡々と行きたいる主人公。

彼が、特別な存在であると、環境が導き、もしかしたら自分の苦境が意味あるものだと想うようになる。今までの乾燥した世界が、意味ある色彩で満たされて、希望という光を宿す。

しかし、それは巧妙に組み合わされた嘘の一つだと知り、その瞬間、変わらぬ人生の延長しか持ち合わせていない人間であることを痛感してしまう、この、落差がとても深く心を打ちつけます。

彼は、もう戻れぬ世界に足を踏み込んでしました、現実にもそうですし、何よりも彼の心が、いや、魂が戻ることを拒否しました。

そして、人としてもっとも意味あること、「犠牲」を選ぶことになる。
この時の、彼の切なる哀しみが何とも、辛いんです。

こんな主人公はいませんでしたし、ここまで、光の当たらない存在を、描き切った映画もなかった。光のない世界。その中で生きなくてはいけない存在。大概は、実は彼には特別なんだと描くのが、創作活動の根源です。

よくあるハリウッド映画は、だいたいこのパターンが多い。でも、一旦はそう見せつつ、やはり、変わらぬ日の当たらない存在だった。よくも作れたものです。

この退屈な映画が、どうして忘れられないのか、それはこの辺にありそうです。

何を隠そう、僕もそんな人間の一人ですから。あんまり大したことのない人生を、人から賞賛以上に嘲笑を受け。それでも、何だか自分は何かあると、あらゆることに手を出して、手も足も出ず、それでも諦められなくて、こそこそとこのような創作もどきをやっている。お笑い種とはこのことです。

それでも、人は止められない。諦められない。あまりにも、空っぽな人生を味わい過ぎた、人間だから。

どれだけ退屈で、眠たい映画だったとしても、最後の数秒で見せる主人公の表情がこの映画を永遠の記憶の中に閉じ込めた。なんて、かっこいいことを書いてしまいます。あえて。

とりあえず、こんなところで。まだ、好きなところもあるので、その辺は気が向いたら、また書いてみます。

女の子が、軒並み素敵で、最高だったってことも書かなくては。

で、この映画。良かったのか、悪かったのか。そんな野暮な答えをこの映画は望んでないと、思います。









↓人気ブログランキングに登録しています。記事がよかったらクリックをお願いいたします。


人気ブログランキングへ

Related Posts Plugin for WordPress, Blogger...
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る

SNSでもご購読できます。

コメントを残す

*