放浪

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基本変わりもので、世の中に合わない人間なので、
一年の内、一回や二回、完全に世の中が嫌になり、
放浪したくなる。

ただし、本当に放浪する勇気も無く、一日、仕事
や用事をサボって、カメラを持って近場を撮影したり、
映画に行ったり、人とはまったく関わりの無い時間を
過ごして、人とは関係の無い時間を堪能している。

どうしようもない悪癖で、自分でもどうしようもなく、
心が詰まると、なにもかも放り出して、身勝手な妄想
に浸る。人の迷惑を省みず。

一度こうなると、世の常識の範疇から外れ、もともと
たいして無い、信頼もへったくれもなく、非常識な烙
印を押されることになる。なんども、痛い目に遭って
いるのだけど、性根は変わらない。どうしたものやら
である。

今日も、そんな悪癖に囚われた。

放浪の虫が、腹底からわき出してきて、心を食い散ら
かし、あても無い放浪へ誘った。なんとも、キザな言
い回し、はなはだあきれるのだが、貧困な精神の、陳
腐な逃避である、しょせん。

最近頻発する火山活動のような、自然災害として甘ん
じて受け止めるしか無い。長年同じ災害に見舞われて
いる自身としては、そんな風に、受け止めている。

一度、こうやって爆発すると、安直に反省し、ふたた
び正常な社会生活に復帰しているのだから、良しとす
るしか無い。中途半端に鬱積した心持ちで、過ごすよ
りも幾分か健康的である。と、言い訳を述べる。

今日は1日。映画の日。それが、噴火の原因となった。
1100円で映画が観られるのだ。こんな日に、たまった
心の影を押させつつ、社会生活なぞ送れたものでは無い。

せっかく世の中のどなたかが、バカ高い日本の映画を、
金額を安くしてくれているのだ。それに乗じることは
義務である、日本全国の映画好きとしては。

そして、社会不適合者としては。

つまりは、サボって映画に行った。「チャッピー」を
観た。「第9地区」を撮ったニール・ブロムカンプの
作品。

南アフリカの風景で繰り広げられる、彼独特の暴力描写
はこの映画でも冴え渡っていた。でも、「第9地区」
の生々しさや、ヒリヒリとした社会的現実は、薄れた
気がする。

人によっては十分だと思うが、「第9地区」が、あまりに
も衝撃的で、臨場感のある名作だったから、どうしても、
対比してしまう。

ただ、役者がとってもよかった。ほぼ主人公と言える
インド系のデーヴ・パテールが実に良くて、これから
の期待が大だ。インド系というハンディを超えて、
いい監督と組んで、最高の演技を見せて欲しいと思う。

映画を見終わると、すでに夕暮れ。それから、ブラブラ
うら寂しい街角を歩きつつ、放浪を終えた。

この放浪、カメラは家で留守番。重いカメラを持ち歩く、
面倒さが越えられず、そうなった。つくづく体力が無く
なったことを時間しつつ、いよいよ軽いカメラが必要だと
痛感する。

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