嫌になっちゃうほど、苦しい時代を明るく描く、嫌になっちゃうほど気持ちの良い「国際市場で逢いましょう」

嫌になっちゃうな。感動しちゃったじゃないの。なんだかんだ言ったってやっぱり面白いよね。韓国映画。

この間、じんわりした人情ものは日本映画の専売特許。日本人しか撮れないと書いてしまったのだけど、それを改めないといけない。

確かに、違うところもあるけど、根底にある部分は似通っている。もう、その辺が判っちゃって、胸がズキズキ感動してしまったのです。

さて、一体なんと言う韓国映画を観たかと言うと、「国際市場で逢いましょう」

前からいい映画だとは聞いていたのですが、Amazonプライム・ビデオで配信されていたので観ることにしました。

朝鮮戦争でフンナムから命辛々逃げてくる場面から始まり、苦難の韓国歴史が描かれます。

主人公は実に平凡な男。カッコ良くもなく、強くもなく、ただただ泣き虫なんだけど、ひたすら生き別れた父親との約束、「お前はこれから家長。家族を守んだ」を心に刻み付け、夢を諦め、肉体を酷使し、犠牲になって家族のためにひたすら生きる。

その人生が、年老いた今と、少年、青年時代が交互に繰り返され描かれていく。

家族や隣人から、どちらかと言えば煙たがれて、少々馬鹿にされている頑固なおじいさんに、人には言えない言わない悲しさと、人としての暖かさが流れている。それが交互に登場し、今のおじいさんが判ってくる。よく出来た作りです。

要所要所で韓国の偉人たちが出てきて、韓国の方なら強く共感すると思われる。きっと、涙無くしては観られないはず。

観てて思うのが、韓国人の民族としての切々なる誇りや希望。常に他国に翻弄され、自分たちの存在を脅かされ続けた、民族としての悲哀が描かれます。

かと言って、他の国を批判することなく、悲惨な運命を呪うことなく、全体的に明るく成長への希望にあふれた、「楽しい映画」です。

いつも観る韓国映画は、陰惨な事件や、派手なアクションものばかりですが、こんな心温まる映画もあるんだと、嬉しい発見でした。

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