oze-japan-2013

 

 

このあいだ「光の方へ」という映画を観ました。

社会ドラマでかなり重い内容でしたが、その分とても深く感動しました。

育児放棄の母親のもと育った兄弟が、トラウマを抱えて生長し、
人生の葛藤を感じながら自暴自棄に生活している姿を描いていました。

兄はアウトローとして独りで生きており、弟はジャンキーのシングルファーザー
として、幼い息子を育てています。

息子はとても愛らしく、父である弟も心から愛してはいるのですが、
麻薬中毒から抜けられない。なんだか、男の弱さ、浅ましさを感じました。

自分自身もそうですが、男は子供のためといいながら自分を変えることは
難しいのかもしれません。自分を捨てられないというか、愛するもの為に
変わることが出来ないというか、弱くずるく逃げてしまうところがあります。

女性の方が、逃げず、強く、自分を変えることが出来るのでは無いの
でしょうか。

心底愛しているのなら、変わればいいのに、変わることが出来ず、
悪癖を続けてしまう。身勝手な世界が男にはあります。その点、女性は
愛しているもに対して、自分を変えて成長せることが出来る。

ムハマドユヌス氏がノーベル賞を取って話題になった、グラミン銀行も
お金を貸すのは男性では無く、女性です。経済力が無いから無駄になるの
では?と思うのですが、男性はお金が手に入ると、家庭が困窮しているにも
関わらず、自分のために使ってしまいます。

その点、女性は子供のためにそのお金を使います。せっせと、お金を元手
に小さな商売を初めて、家族を養おうとします。

だから、グラミン銀行では女性にお金を貸し、女性のネットワークを作り
ビジネスが円滑に進むようサポートします。

この映画で心痛むところは、麻薬の誘惑に負けて、あることが切っ掛けで身
を滅ぼす弟の息子です。思わぬ大金が入り、夢見てた生活が手に入り、
父と遊園地で夢のような生活を過ごし、これから光がに手が届くかもしれな
いその後、愚かな父の行動で光が遠のいてしまいます。

自分の息子に重ね合わせ、思わず目頭が熱くなります。

こんな、考えられないような愚かな行動をしてしまう。かけがえのない
愛すべき存在がありつつも。人ごとではありません。男が持つ性ゆえの
悪なのです。

この映画は、単純明快な救いを与えてくれていません。題名にある
光などどこにも見えないまま終わるのではと思わせます。さまざまな
事件に巻き込まれ、幾度も大切な人の命が消えるのを、なすすべもなく
立ちすくみ見つめる兄。 あまりにも悲痛です。

ですが、最後の最後、ほんの少しの光が訪れて、新たな生命の延長が
感じられる。「光の方へ」進む彼らの幸を祈らざる得ない気持ちを
抱かせてくれる最後を迎えます。悪くない映画です。

最近北欧の映画が元気いいですね。
これはデンマークの映画。ミレニアムはスウェーデンでした。
ヨーロッパの映画はとても落ち着いてイメージがありますが、
なにがなにが、とても重く、過激な人間模様を、透明感のある
映像で描き。優れものが多い。次はどんな映画で出てくるのか楽しみです。 

 

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