
こんな人生に誰がした?写真機迷走記
さて今日は何を書いたらいいものやら。
相変わらずカメラネタを。
今日何気なくビッグカメラに行った時に、SIGMAのfpが置いてあった。
あのちっちゃいけど35mmのフル素子を積んでいる変わりもの。
小さいけどずっしりしていて、作りがすごくしっかりしている。知る人ぞ知るマニア的カメラ。デザインも無骨で、無愛想、華麗な雰囲気は皆無。
でも、こんな簡素を極めたカメラは嫌いではない。大好きと言える。
嬉しいのがついていたレンズ。SIGMAの45mmf2.8だったかな。このレンズ今では珍しい絞りリングが付いている。レンズ側で絞りを変えられるのだ。
昔懐かしい銀塩カメラ時代のレンズのように。
今はカメラ本体のダイヤルで絞りもシャッタースピードも変更するが、どうしたって使い倒したニコンFM2の使い勝手が体に染み込んでいるせいか、レンズ側で絞りレンズを回して、意図する絞りに変えられた方が、しっくりくるしその方が断然いい。いちいちファインダーや液晶面を覗き込まなくても、直感的にわかる。
試しに何枚か写してみたら、これまたいい。
すごくアンダーでコクのある、個性的な絵。かなり好き嫌いはあるだろうけど、気にいる人にはたまらない。これは最高ではないか。
レンズのおかげか、カメラの映像エンジンの賜物か。わからないけど、SIGMAらしい絵。
こんなちっちゃくて、ちょうど良い重さのカメラ。それに、絞りリングのある写りの良いレンズを大きめのポケットか、小さい鞄に入れて、街を闊歩しつつスナップを撮れれば、こそれこそ幸せ。
なんだか、夢想しながら、ニヤついてしまった。
でも、値札を見て現実に戻されてしまった。こんなにちっちゃいのに20万超えなんですから。
これは、これは、到底手が出ない。
これだけ出せば、中古のSONYα7IIIのレンズキットが買えてしまうではないか。あっちの方がいろんなことが、楽に確実に間違いなく撮れてしまう。
SIGMAのこのカメラが、とんでもなく限られた用途のためのものだと、冷や水を浴びせられてよく分かった。
でも、そんなことを言ってはならぬであろう、粋を楽しむカメラなのだ。
関係はないのだが、ふと、GRもこんな感じでフル素子乗せて、粋に遊んだカメラになっても良いのではと思ってしまった。
どうせ、高級コンデジの分野は、スマホの急激、驚愕的成長で風前の灯。その中で超名機のGRも激流に漂う木の葉の如く、儚い運命を流されているはず。
沈んでしまうのなら、ジタバタあがいてみても、愉快では、痛快ではないか。なんて、生粋のGR愛好家からは、石を投げられ、磔にされそうなことを思ってしまった。
ちなみに、ついているSIGMAの45㎜レンズ、SONYマウントも出ているので、このレンズだけ使いたければ、α7IIでも買ってそいつの相棒にしてもおもろいかもしれん。
ずっと安いし、αなら色々使える。
さて、時間もあるし予定の買い物も終わった。久しぶりに本屋でもと、ビックカメラを後にして、本屋に行く。
性懲りも無く、カメラ雑誌コーナーの前に立ち、気になる本をいくつか立ち読み。
ある雑誌にて、プロカメラマンがカメラ座談会をしていた。
その中、ニコンのZ50のことを最高だ、最強だと尋常じゃなく褒めていた。
小さく、安く、写りが一つ上の段階。とにかく、手に入れて損はない。そういえばこのカメラ、外見はチープだけど、根強い人気がある。今更APS-Cなんてと、エセカメラ好きが言いそうな事を、この僕は心の内で宣う。が、フルサイズを選ばずこちらを手にとった方が、幸せになれるかもとの、期待が湧いて出た。
嫌になる程、金がなく。嫌になる程、写真が撮る道具が欲しく。嫌になる程、選択の迷宮に入り込んだ。こんな人生に誰がした。あっ、この僕か。