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  題名:「ヤング≒アダルト」を観る

ヤング≒アダルトを観る。
シャーリーズ・セロンの壊れっぷり、浮きっぷりが
哀しすぎる。

この女優は、たわいも無い役でも、女の悲哀というか
幸薄感を存分に出す。それが、単なるイタい女性を
味のある存在に高める。

さほど取り立てて物語りがあるわけでは無いのに、
ぐんぐんと引き込まれる。つまらなければ途中で
やめるつもりで見始めたが、結局最後まで楽しんだ。

その端正な美しさが、演技派の実力をかすめている
が、なかなかの芸他者である。

これ以上も無い、自身の恵まれた容姿が、演技の足
を引っ張っている女優もめずらしい。それを彼女自
身もイタいほど知っていて、複雑な思いに囚われて
いる。

彼女がアカデミー書を取れたのが、容姿を破壊し、
完全に別人にメーキャップしたモンスター。自分の
美しさを封印したことで、初めて自分の望む結果を
だせたのが皮肉だ。

シャーリーズ・セロンの生い立ちはかなり厳しい
ものだったと聞いている。父親のDVに苦しんで
南アフリカを逃げ出した。

女性としての理不尽に暴力にさらされる、女性の
弱さや、苦しさを演技で表現し、解決しようと
しているのだろうか。

個人的には端正過ぎて好みでは無いが、彼女の覚
悟のある演技は好きだ。

監督はジェイソン・ライトマン。彼の撮る作品は
一ひねりも、二ひねりもしていて、とても興味深い。

最後は運命の人と出会って、愛を手に入れて終わり、
そんな作品は無く。なんだか、色んな物語を残した
まま終わる。

また、配役が絶妙で、人間味のある配役をする。
この映画でも、いかにもアメリカの田舎町に住んで
いる感じの人を周りに揃え、その中で浮きまくる
主人公を描く。

また、唯一主人公を擁護し、理解しようとする男性
は見るからに厳しい容姿と現実を背負い、到底彼女
とは釣り合わない。単純なラブコメならば、それでも
真実の愛の前で二人が一つになる。と、なるのだけど、
それも許されないほどの、残酷な駄目男ぶりだ。
僕みたいに。

手に入らないモノは、絶対的に手に入らない。そんな、
シニカルさと、それをただ見つめる優しさがこの監督
には同居している。これからの、作品が楽しみな監督だ。

sakura_14_16

 

 

 

 




 

 




 

 

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