凡庸雑記「有意義」

もう、生きる時間もさほどないから、せめて有意義な事をして、時間を削ろうと思っている。

だが、反面。もう、何かを積み上げて成し遂げる時間なんて無いのだから、さっさとあきらめて、無意味な事で浪費しよう、気楽に無理無く。と、思う気持ちがあったりする。

今のところ、有意義派の方が、心の中で優勢的で、生きているなら何か価値ある形を得たいと少なからず考えている。

が、考えるのと結果とは往々にしてひとつにはなり得ない。とくに、僕の場合は。

新しく学び、知識や技術の幅を広げんとして、無料で多くの知識と出会えるYouTubeを見始めるのだが、無数の知識の中でさまようのを放棄して、気がつけば刹那的な娯楽を視聴して、悦に入っている。

ここで気がつくに、有意義の価値や目的を理解しているように装っているが、内実は理解などしておらず、中に沈殿しているのは、飽くなき暇つぶしへの渇望だ。

正直なところ、絶望に近しい真実は、兎にも角にも僕は”暇つぶし”を、ただそれだけを主眼に置いて、生きながらえている。

今こうして、さも有意義な事をしている風に、大仰な言葉を列挙し、死を待つばかりの壮年の悲哀を書き、本人の妄想の中で、太宰か夏目かになった気でいるが、そのすべては、哀れにも、

“暇つぶし”以外何ものでも無いのだ。

2022年3月26日あんまりにも暇なのでここに記す。