凡庸雑記「年の瀬」

今年も残りわずかになってしまった。相変わらず大したこともできないままに、人生が一つ減っていく。

文章一つももまともに書けず、撮影やら、現像やら、写真にも四苦八苦している。そして、世の中は大いに動画流行り。写真家だけではならぬ風潮。そんなもんはいい歳して手を出すこととはないだろうと、心がつぶやくが、これも人並みぐらいには成っときたい。と虚ろな取り組みを続けている。

今年はDaVinci Resolve を気合を入れてお勉強。ある程度上っ面は使えるようにはなったが、カラーグレーディングなどなど本格的に使えるのは、まだまだ先の未来の話である。

あまり焦って、義務的にやってしまうと、趣味が精神的な安定とはならないので、楽しさの範疇を保ちつつ、ぼちぼちとふらふらと来年も続けていこうと思っている。

写真といえば、目下の最大の悩み事は、新しいレンズをひとつ買いたい。単焦点の何かを。

こんな話、確か前に書いた。いいかげんひつこくて(ひつこいは関西弁らしい)、とっととなんでもいいから買ってしまえ。と、言われそうだ。

とりあえずは無駄な戯言として受けてめてくれることを切に願いながら、ひつこく続けると、ある程度2本のレンズには絞りていて、(これも前書いたか?)

NIKKOR Z 50mm f/1.8 SかNIKKOR Z 40mm f/2この二本。

創作性を優先するなら、名レンズの誉高い50mmのf1.8。こいつを手に入れれば、もう、レンズ選びの終着点。そうこのレンズならば、至る所の写真コンテストやSNSに胸を張り投稿し、そして写真販売サイトに高い品質を登録して、ガッポガッポも夢ではない。

もう一本の、NIKKOR Z 40mm f/2

なんたって、お値段が安くて精神的にとても楽。そして、安いのにすこぶる写りがいいと評判が高い。間違いなく、安かろう悪かろうではない、別の面でNikonの光学技術極めたレンズに違いない。

このレンズならば、金欠の僕でも楽天ポイントと、へそくりをかき集めれば、今この瞬間でも即買いできる。

安くて軽くて小さくて、Nikon Z6のための現実的レンズ。それが、秀作レンズとして名高いNIKKOR Z 40mm f/2。

でも、だ、お金の工面に頭の中をぐるぐるぐゃぐゃさせて、心の涙を流して悲観に暮れてしまうのが分かっているのに、一般市民の常識からすれば、40mmこそ我がレンズとして躊躇なく手に入れるべきなのに、どうしてもNIKKOR Z 50mm f/1.8 S に心が惹かれてしまう。

透明感のある、精細で艶のある描写は誰もがほめそやし。そのNikon史上至宝のレンズが、新品で7万、たったそれだけで手の中に収めることができる。そう考えると、やっぱりこのレンズを、今のこの瞬間金の工面をどれほど苦慮しようが、創作者として、手に入れるべきであろう。

芸術のための勇気を持つべきなのだ。そのためには目先の金銭などは、浮世の戯言なのだ。

だから、もう結論は出ている。七転八倒の金銭地獄へ自ら進み、この世の世界の美を手に入れるために、NikonのZレンズにハズレなし言われる中の一つである、NIKKOR Z 50mm f/1.8 Sを手に入れるべきなのだ。

てなことを頭の中で妄想しつつニタニタとぼんやりと考えて、ヨシ!結論出たとばかりに決めたのだけど。

金なし、才なし、意気地なし、思い切りなし、結局は芸術のために常識を捨てる勇気を持てず、やっぱり堅実な40mm を選んだ方が、正しく優しい人生だろう。そう、正しく優しく凡庸な僕は、レンズ選びのRe.スタート切る。

こんな感じで、年の暮れに悟りも決意も決断もなく、物欲と凡庸にまみれ来年を迎えようとしている、年の瀬の僕である。

皆様も僕のような卑怯な年の瀬を決して送らぬように、どんどん良きものを買い散らかし、感動的で美しい未来を迎えてくださることを祈りつつ。それでは、良いお年を。

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