カメラ雑誌の「KAMERA magazine」がライカの特集をしていた。
今年でライカ誕生100年。それを記念して、1冊まるごとライカ
を取り上げている。

決して、手に入れることなど叶わぬカメラだが、カメラ好きにと
っては、常に心の片隅に存在し続ける、憧れである。

コク深い孤立した存在感を持つ、独自の装飾をほどこした色を
記録する、ライカ故の写真が多数掲載されていて、ページをめ
くる度にため息が出た。

昔、銀塩カメラを使っていたとき、愛用していたのがNikonの
FM2だった。35mmと85mmの単眼レンズを、青息吐息なんと
かそろえ、常に持ち歩いてはひたすら写真を撮っていた。

FM2は基本に忠実な機械式カメラで、AEなどなく写すごと、
絞りとシャッターを合わせながら撮影する。ただ、それが
使い込むと、とても楽しく有り、便利だった。

意図したぼけ具合に合わせ露出ダイヤルを回し、そして、
シャッターを決める。基本、露出優先で撮っていた。

AEがないから、露出補正設定はなく、レンズにある露出
ダイヤルを微妙にずらして、アンダーにしたり、オーバー
にしたりしていた。基本左手の露出、右手のシャッターの
みの操作で写真は完結する、単純で心地よいものだった。

今、NikonのD7000とか使っているが、やたらボタンやら
ダイヤルやらが多く、また、設定内容も無限にあるので、
どうにもややこしく、面倒極まりない。時より、FM2の
ままのデジカメは出ないだろうかと考える。

結局、撮れさえすれば良いのだから。

ただ、日本のメーカーではそんなことは無理だ。
FM2をそのままデジカメにしても、肝心のレンズに露出
を設定するダイヤルは無い。わざわざ機構の多い面倒な
レンズは作らない。

露出優先で撮る癖がついている僕にとっては、直感的に
露出値を決められないのは実にもどかしい。懐古趣味の
Nikonが先ほどDfを出したが、キットレンズとして50m
mf1/8Gにも露出ダイヤルが付いていない。個人的には
レンズも懐古趣味に疾走し最新の写りの最古の風貌を持
つDf仕様レンズを作って欲しかった。

さて、こんな絶滅危惧種のカメラ愛を、現時点で満た
そうとするならば、そう、ライカしかない。レンズも
カメラの一部で有り、レンズの操作感を含めての
操作性こそが、カメラという撮影機械の重要性である
と、幾たびの会社清算の憂き目を浴びながら、守り抜
いたカメラメーカーである。

もちろん本体とレンズを合わせて、100万オーバーの
M型ライカは高嶺の花だが、また、いつの日か左手と
右手を小気味よく動かしながら、写真を撮ってみたい、
そう思う。