「ジェーンドウの解剖」知らない美人の死体が災いを起こす

Amazonプライム・ビデオで無料で観れる作品が増えてきました。メジャーな作品を楽しむのもいいのですが、映画館やレンタルで観ないような作品を試してみるのもいいものです。

今回観たのは死んだ女性の写真が印象的な「ジェーンドウの解剖」

暇つぶしにちょと刺激的な作品を見たかったので、ちょうどいいと選びました。

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お話は、家族全員が死んでいる現場を捜査していた警察が、地下室で半分埋まったままの、全裸の女性の死体を発見したところから始まります。

全裸の女性が床下に埋まっているので、誘拐殺害事件だと捜査を始め検死を地元の検死官に依頼するところから、物語が始まる。

冒頭に親子の検死官の人となりと、関係を描き物語に色付けしています。これが物語の展開に深みを持たせてくれています。経験豊かな父親の検死官が厳しく丁寧に息子に検死の術を教えている姿は、彼がどれほど息子を愛し、期待していることをあらわしています。

ただ、息子は恋人との新しい生活を、別の土地で行おうとしている。父親との今の生活を続けていくのか、新しい生活に飛び出すのが、葛藤を抱えています。

そんな彼らの元に、女性の死体が運ばれてきます。

今夜中に死因を調べて、警察に報告してほしい。そう、警察官は依頼します。初めは、父親だけで検死を行うつもりでしたが、心配になった息子は恋人との外出をやめて、手伝うことに。これが、悲劇の始まりでした。

死因を調べるために、体の状態を調べ、解剖して内部を確認してゆきます。しかし、どうしても納得いかない。解剖の描写はすごい。本当に解剖しているみたいに、メスを入れて体が開かれ、心臓など内臓が取り出されるところが、本物みたいです。

このシーンは、ダメな人には辛い。

僕は、これだけリアルに丁寧に描かれていると、嘘くささがなくてとても評価しています。ここが、曖昧だと一気に興ざめしてしまいます。

解剖していくと、死体に不可解な部分が多いことに気がつきます。全く外傷が無いのに、肺や内臓に火傷や無数の傷。一体、どうして内部だけがこんな状態になったのか。

解剖を進めると、内臓の中に呪文のようなものが書かれた布がでてきます。それに、何かの植物が。

解剖が進むにつれて、不可解な現象が。

しっかりと締めたはずの死体安置場所の扉が開いたり、長年飼っていた猫が通風口の中に入り込み、瀕死の状態になったり。この猫は父親が見かね、安楽死をさせます。

それに、ラジオでは今日は天候が崩れることはないと冒頭で言っていたのに、突然、暴風になりそこに一歩も出られなくなりました。

ここから、雪崩のように恐怖が襲ってきます。

停電になり、エレベーターが使えなくなったり、ミラーにいないはずの人影が映ったり。おまけに、非常階段で逃げようとしても、最後のドアが開かない。

突如、照明が爆発してあたりは真っ暗。なんとか気を取り直して、周りを見渡すと遺体安置所の扉が開いていて、中には入っているはずの遺体が無い。

この時、この女性の遺体は禍々しい何かであることを、親子は悟ります。

最近、密室劇をよく見ます。登場人物も少なく、舞台も限られていますが、下手なアクション大作よりも断然面白い。ストレートに役者の演技が味わえます。

アメリカの演技の幅を実感するのが、密室劇です。今回もあまり有名な俳優は出ていませんが、片時も目を離せない見事な演技をしています。海外ドラマやこんなメジャーでない映画に出いてる俳優でも、見応えのある演技をするのですから、アメリカの俳優おそるべしです。

どんどん物語は悲惨な方向へ進んでゆきます。

外に出られなくなった親子に、死んでいるはずの死体たちがじわじわ迫ってきます。直接噛んだり掴んだりはし無い。でも、暗闇の中で近づいてきたり、悲鳴をあげてドアのを叩く。

これ以上逃げられないことを覚悟した親子は、女性の死体がある解剖室に戻り、立ち向かうことに。女性を燃やせばいいのではと、ガソリンをかけ火をつけますが、火傷一つつかずに消えてしまう。

この女性はいったい何者なのか?親子は推測します。

悪魔の使いである魔女なのか。それとも。

物語では、親子の推測として正体がわかりますが、明確な答えは出していません。そこが、また不気味で面白いのです。

見始めた時、いい終わり方はしないだろうなと思っていましたが、全く、その通りになした。身もふたもないとはこのことです。

それに、なるほどなと感心したのが、魔女の力を持つ女性の死体。歩き回り死体たち。彼らが直接手を出すことはなく、客観的に見れば親子や恋人同士で行った結果になります。

人の恐怖を操り、悲惨な結果に導く。これぞ悪魔の技です。

スプラッターやホラーなど苦手で見ることはないのですが、興味を持って見始めたこの作品、とても楽しめました。







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