「クレイジー・リッチ!(Crazy Rich Asians)」変りゆく世界の予感

アジア(中華)パワー炸裂の映画。アメリカでの影響力を感じさせる面白さ。

メインキャストは世界中から集まったアジア(中華)系。それだけで映画を引っ張る。

中身はよくあるシンデレラストーリー。それも、一般人の女性(と言え若のに大学教授だからそうじゃないかも)が付き合っていたイケメンが実はクレイジーなほどの大金持ち。

ベタベタの設定。これでどうおもろくなるのやら?と思いきやファーストシーンから引き込まれる。

リズミカルな演出は飽きがこない。ポイントで出てくるポップが小気味良い。一歩間違うとダサくなるのに、あえて入れてくるセンスに唸る。才気あふれるとはこのことだ。

それだけでない、結婚式のシーンは台詞を消し、歌と表情で盛り上げる。あえてゆっくりとした中で、見つめる悲喜交々が表現されるのはこの映画の白眉。

旨いなあと呟いた。

なによりも脚本が良い。次々と予想外の展開を幾重にも盛り込んで、話を広げていく。脚本家の映画に対する情熱と知意がこれ以上ないほど紡ぎ合い成功に導いている。

この映画アメリカで大成功した。単に中華系が良い作品を作っただけでなく、映画を愛する人が素直に評価できる作品だった。

根底には、甘くて愛すべきラブストーリー。この様な真正面からの表現は、アメリカ映画の専売特許だった。しかし、最近のアメリカ映画では観る機会が少ない。格差と貧困などを下敷きにし、愛に対して斜めに客観視した作品が多い。

こうして、アジア(中華)系により作られた。あまりにも良く出来た古き良きラブストーリーを観ていると、世界の勢いが変ってきている。そう、感じてしかたがない。

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