翔んで埼玉の第二弾「翔んで埼玉~琵琶湖より愛をこめて~」を観てきてしまった。

全く観るつもりはなかったし、この間観た「ゴジラ -1.0」の、日本映画の枠を凌駕する素晴らしい記憶が脳裏にこびり付いたままなので、完全に、身もふたも教訓も訓示もない娯楽映画であるこれを観るのは、抵抗があった。

じゃぁ、なんで観たんだようとなるのだけれど、それは、すべては妻のせいである。彼女がどうしても観たいと言ったからだ。でも、観る必要が、付き合う道理は、まったく別ではないか。そう言われるのもわかる。

ここで我が家の実情を言うと、言ってしまうと、映画を愛している僕と、映画よりもお金を愛する彼女。どんな映画でも観るべき価値と意味があると信じている僕。どんな映画でも、余計なお金を出す価値がないと感じている彼女。

その彼女が観たいと言うのだから、こんな奇跡はありはしない。こそこそとお金をちょろまかせて、休みなのに、仕事があるとシネコンに行って、スマホの電源を切り、うっすらとした罪悪感を味わいながら、秀作、名作、駄作を堪能する。

その、日陰を歩く、出来損ないの忍者や、諜報員のような行為をすなくて良い。お天道様の下を歩くごとく、晴れやかな気持ちで映画を堪能することができる。

話がよくわからなくなってきたが、結局は、世の中に全ての映画は観るべきもの、そして、胸を張って家族で行くことができる。観ない理由が全く見当たらない。

こうして、観るつもりがなかった「翔んで埼玉~琵琶湖より愛をこめて~」を鑑賞することになった。(ようわからん説明だ)

今回は、関西の関係を盛大にディスってる。夫婦揃って関西(僕は四国で仕事で関西)なので、楽しみで仕方がない。きっと、半端なく大阪や周辺県を取り上げてくれるだろうと、大期待。

今回は、大阪と滋賀。特に滋賀を忖度なしに言い放題。琵琶湖しかないとかなんとか。まったく、躊躇がないので本当に面白い。規制だとかなんだとか厳しい昨今。こんな遊びができる日本も捨てたもんじゃないと大いに楽しんだ。

これで目くじら立てる様になったら、もう、世の終わり。滋賀もそうだけど、大阪が今回は圧倒的な悪役。それも、一切の忖度なし。胸がすく悪逆非道な行いに笑いが込み上げる。

前回が大成功したおかげで、今回はいろんなところでお金がかかってる。

SFXまで持ち出して、こんなところでこんな見せ方するん?と驚くやらよろこぶやら。

途中、ハリウッドのなんとかとチョコレート工場みたいにチョコじゃなくて大阪といえばあれを使って、盛大に踊り散らかすのだけど、こんなくだらないもんに盛大にお金をかけて、CGを使っているのに呆れ返ってよろこんだ。

役者の面々が本当に良かった。GACKTや二階堂ふみなど前から出演しているメンバーは安定の馬鹿馬鹿しい熱演。そして今回、関西陣営として出演した、片岡愛之助や藤原紀香、そして、これ嫁さんから言われて後から知ったのだけど、京都代表が川崎麻世。失礼ながら見てる途中ずっと、どこのおっさんがでかい顔してフューチャーされてんやろか
?と思っていたが、シュッとしていた川崎麻世が見事なおっさんで、隔世の感が。

もちろん、素晴らしいと言うこと。

その中で特に今回の中心は、片岡愛之助。彼がいなきゃここまではならなかった。この人、芸達者だとは思っていたが、想像の上を行く、怪演で映画全部を持って行った。って感じ。

それにしても、実にくだらないとんでも物語なのに、恐ろしいほどに胸にくる生々しさが、意外だ。お笑い草のくだらなさで、一歩間違えば茶番劇になる内容なのに、それも、徹底的に確信犯に物語の運びもそうしているのに、長時間見るに耐える中身になっているのは、いったい何だろうか。

監督の演技の指示は、大河ドラマのように真摯に熱演して欲しいだったと、読んだ。確かに、笑える内容なのに、途上している人は誰もが、戦国武将か戦乱の騎士。威風堂々格好がいい。

恥や、外分を脱ぎ捨てたきっぷの良さが滑稽を超えて、物語に真実を与えたに違いない。(気恥ずかしい言葉を僕も胸張って)

それから、脚本が良かった。これでもかと話が二転三転、四転五転そいつが七転八倒。四苦八苦感情を乗り越えて進んでいくのが、抱腹絶倒、気色良い。

前回があれだけの成功を収めたのだから、今回はかなり苦悩したはず、でも、そんな姑息な考えを全く寄せ付けない、知己に富んだ台詞の数々、突拍子もない場面の洪水。確実に前回を超えた。

要所要所の場面の動かし方を観ていると、この監督絵作りが本当に上手いなあと感じさせる。そう、ここぞと言うところのツボの突き具合がとんでもなくいい。場面編集の仕方やら、複数の場面の組み合わせやら、見せるタイミングやら、それから通常とスローの切り替えとか、お馬鹿映画だと侮れない、しっかりと場面の手綱を握って、自由自在に存分に操作している。

これからの、彼の作品が楽しみだ。

結局はどうだったのかと言うと、おもろかったそれに尽きる。全く期待せず、完全に妻にひっついて来ただけなのに、思わぬ法外な喜びが棚から転げ落ちてきた。

いや〜、映画っていいもんですね。(これ知ってる人はどれだけいるかな)

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