凡庸雑記「雪」★過去は美しく輝き、今は白い世界に慄いて

大雪降る

びっくりするぐらい雪が降った。

最近、それほど降ることもなかったので、一度振ったらどんな悲劇が起こるか、すっかり忘れていた。

案の定、振った後にその恐怖心をふんだんに浴び、したたかに打ちのめされることとなった。

空から喜びが降る

思い出すに、雪をこれほどまでに、恐怖するようになったのは、いつからだろうか?

子供の時には、雪が降るっと言うのは、一年で起こる出来事の中で、絶対上位に必ず入る、喜ばしい出来事だった。

腹の底から寒気が積もり始め、それと呼応するように、空が雲で幾重にも積み重なり、世界全体が重厚な風景に変わる。

そうなると、居ても立ってもおられない。今かいまか、空から白く軽やかな雪が落ちてくることを、見上げつつ待ち望んでいた。

こんな、悠長な喜びの中で、白い友達(雪)を待ち侘びておられたのも、四国の比較的に温暖な地域のことだったからなのだろうと、今は思う。

豪雪地域ならば、空から降り注がれるそれは、恐怖の象徴として記憶にこびりついているはず。

とにかく、日頃、無縁の地域に生活している幼児にとって、雪というのは、完璧な非日常。この身を異世界へ誘う胸高まるイベントだった。

お引き取りをと祈りを捧げる

夢多き時は流れ行きて、空からの白い使者に対し、今や、降り積もった時の面倒さで身震いし、願わくばお引き取り願いたいと、懇願している。

案の定、白く凍りついた道路は、恐怖しか表現せず、慣れないハンドルを恐る恐る握りながら、早く消え去って欲しいと、誰にどこに願い懇願しすれば良いのかわからぬにも関わらず、そうせざるを得ない、哀れさと陳腐な祈りを捧げるのであった。

何らかの対策を

今年は、雪が多くなるのだろうか。この調子でもう一回二回こんなことがおきれば、それこそ社会生活に致命的な問題が発生してしまう。

かくなる上は、スタッドレスタイヤを買わねば、と、思いたつも予算が無いのが悲しすぎて、とりあえずタイヤチェーンぐらいは身元に置いておこうと、頭をかきかき思うのであった。

こんな時こそNikonの出番なのに

それにして、一面の銀世界。これぞ、愛用のNikonZ6を持ち出して、その精緻な描写を持って、目の覚めるような風景を撮影すべきではないか。

しかし、なぜだかカメラを取り出す気にはならず、雪の上で滑り、転がり、ついでにカメラも何も奈落の底へ落下する妄想に囚われて、かろうじてiPhoneで数枚撮る勇気しか持てなかった。

実に、残念無念。今度、雪が世界を覆う時、今度こそ、絶対、撮ってやろうと鼻息荒く決意するのであった。(また、転がってカメラを壊すのが恐ろしくて、持ち出せないのだろう。きっと。)

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