希有の天才アニメ作家、湯浅監督の「ケモノヅメ」がNetflixで配信。エロとバイオレンスに吹き飛ばされないように見切れるか!

天才監督の尖った作品

湯浅監督の「ケモノヅメ」がNetflixで配信されています。

この作品今の湯浅監督が本当に撮ったの?と思えるほど、エロとバイオレンス、そして根底に流れるユーモアを振り切り撮った素晴らしい作品です。

映像も超個性的。完全に好き嫌いが分かれそうな、と言うか一般的にはこりゃあかん!となりそうな、奇想天外、摩訶不思議、それでいて醜いほど真実味がある。

僕個人としては、この作風。本当に大好物です。

場面展開のタイミングと角度、演技の付け方、アニメーションの動きが湯浅監督の感性で自由自在に歩き、走りもう、天才とはこの人のことを言うのだろうなと、感心してしまいます。

場面場面が現れるたびに、もっとやれ!そこだいいぞ!と、プロレスを見ている気になって応援しています。

柔らかく見やすく変化して

今は良くも悪くも綺麗で没個性な映像ばかりになってしまいました。それとは真逆のこの作品。こんな作品がもっと、あればいいのにと正直思います。

湯浅監督もこれ以降の作品は、映像が整えられ、すっきりとエロとバイオレンスを洗い流し、ユーモアを救い上げて、観やすく楽しい作品をとても上手に作るようになりました。

まるで憑物が落ちたような、誰にでも愛される人となりました。お天道様の下を大手を振って歩けるようになったのです。

それは一つの作家としての方向性であり、全く僕個人がどうのこうの言える立場ではありません。事実、天才アニメ作家としての地位は、今や押しも押されもしないのは、アニメ好きの中では周知の事実です。

再び盛り込み始めるが

最近はNetflixのおかげなのか、要求なのか、なんなのか、Netflix配信の作品では過去の片鱗をチラ見せしてきます。少し前の「デビルマン」やこの間の「日本沈没2020」これらの作品では、かなりハードなエロとバイオレンスを見せてくるのです。

評価もそこそこあり、僕も十分楽しめた作品たちでした。でも、初監督をしたこの作品、そして、劇場初監督の「マインド・ゲーム」を観てしまうと、昔は各地の戦場を周り、血と硝煙の中で戦った戦士が、田舎にひっこんで歳をとり十分心安らかに過ごしていたら、思いもせず武器を手に取り戦うことになった。

そんな、なんだか心許ない足元がおぼつかないそんな感じが、両作品ともしたのです。まあ、こんなこと僕の作品眼と感性が貧弱なせいなのかもしれませんけど。

Ifの世界の妄想

見始めたばかりなので、まだまだお楽しみは続きます。湯浅ワールドを存分に楽しむつもりです。最後に、やっぱり湯浅監督、この人とんでもない天才ですわ。

それとこれで最後。湯浅監督実写の方に進んでくれても良かったのではないか?と、思いました。「ケモノヅメ」の映像と演出が実写的と言うか、そんな感じがします。

もちろん、アニメでないと描けようもない場面の連続ですが、表情や動きを見ていると、もしかしたら日本映画界の逸材になって、今や世界の映画賞を総なめにしていたのではないかと思うのです。

なんだか、もったいない。それが心の中で浮かんできます。ifの世界だからどうしようもないのですけどね。

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