「マイ・スモール・ランド」を観た。

期待してみただけあって、とても良かった。深刻な内容なのに、良かったなんてなんとも軽薄な感想だけど、大枚をはたいて見た甲斐は十分あった。

住んでいる場所では、一軒しか上映していなかったし、いつ上映が終わるかもしれないので、久しぶりに普通の大人料金を支払った。その金額はなんと!1900円。

ほんま、日本の映画館は高すぎる。仕方がないけど。

ただ、最近は近所のイオンシネマで観ている。そこならばシニア料金で観ることができるから、11,000で観られるから本当に助かる。他の映画館よりも設定年齢が低いだから。でも、ちょっと、地味な秀作はやっていないのが悲しい。

で、話は映画のことに戻して。





クルド人の家族のささやかな日常を描いていたと思ったら、父親の在留資格が突然切れて、働けなるは、県外への移動は出来なくなるは、どんどん家族全体を追い込まれている。

挙句の果てには、父親が施設に収監されてしまい。経済的にも、環境的にも、そして精神的にも追い込まれていく。

主役の女の子がこれが意外に良かった。正直、すごい美人でモデルさんだから、フワフワしているかなあと思っていたら、追い込まれていく様が凄みすら感じるというか、台詞は多くはないけれど、一つ一つの表情で語っているというか。





観ててほんまに面白かった。(内容が内容だけあって不謹慎)

観ながら感心したのだけど、一人の女の子の日常ってばそれだけで、大きな捕物があったり、間違ってもカーアクションなんてないのだけど、どちらかと言えば、生活を淡々と写しているだけなのに、飽きせず睡魔もに襲われず(これはどの映画でもダメ?)目を離すことが出来なかった。

監督の力量なんやろか。時折、重要なところになると、ブチっと場面展開するところはなかなかええ感じ。上手いなあと嬉しくなった。

それと、ちょとびっくりしたのが、家族の描写がなんともいい。会話のやり取りが、自然で違和感ないし、少なからずある場面もしっかりと演技をしていた。これが、父、妹、弟すべて。だから、驚いた。

なんと、この家族主人公の女の子の本当の家族。もっと、ちょい役でサービス出演だと思っていたら、ガッツリ重要人物で出ずっぱり。ほんま素人さんやろかと驚いた。(これまた)





正直、日本に住んでいると、クルド人の存在や民族的背景は失礼ながらほとんど知らない。単なるイメージや、憐れみで手を出したら、とても失礼なことになってしまう。

だけど、この作品からはそんな付け焼き刃な演出を感じなかった。

監督自身が、かなりクルド人のことを調べ、物語を練り上げたのだろうと感じる。無論、監督の真摯な姿勢にクルドの人々も積極的に協力したのだろうとも思う。

民族的な問題は、簡単には語れないし、目を見開いてみるのは躊躇するのだけど、これから世界の中で日本が生きていくのなら、根本的な対応をしなくてはと思わされた。まあ、左っぽく叱責する堅苦しさはないから、素直に見やすい。

上映館がとても少ないから、観る人はすくないと思うのだけど、食わず嫌いでどんどん見て欲しい。いい映画だった。

そのうち、NetflixかAmazonあたりで配信しそうな作品なので、そうなればまた観ようと思う。





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