
凡庸雑記「そよ風と読書」

晴れた昼過ぎ、涼しいそよ風に吹かれ、ソファに寝そべる。
こんな日には永遠に本を読んでいたい。

他には何もせず、傍らに品の良い紅茶でも置いて、ただひたすらに物語の中に没頭したい。

そう夢想しながらも、現実は叶わない。
内外に阻むものがふんだんにある。

読み始めて5か10分
iPhoneのメールが気になり、SNSのアクセスとイイねが気になり、最新ニュースが気になり、そのうち、頭に中で不意に文章の断片が浮かんでは消え、これは今度のブログネタになると気になり、

あれほど心に存在していたはずの、読書への忠誠が霧散してしまう。

そう、こうしてこの駄文を書いているということは、心地よい風に吹かれながら、豊かに読書を勤しむはずが、頭に浮かんだ雑雑とした散文の砲火に大敗し、読む手を書く手に変えてしまった結果なのだ。

せめて、わずか1日のうち1時間でも、夢中に本を貪り読み、未開の知識を開拓せねばと思うのだけど、生来怠け者で移り気な僕は、刹那の快楽と不確かな思いつきに、いつもいつも阻まれるのだった。