プライムビデオで「シン・仮面ライダー」がやっていた。

この間映画館で上映されていて、そのプラック会社みたいな破壊的撮影風景がYouTubeで華々しく公開されていたはずなのに、内容はともかく、もう、プライムで配信されているとは。

普通に嬉しい。

映画館に観に行こうかなとうろうろ迷って戸惑って、変な噂ばかりが一人歩きしてどうも一歩前に足が出ないまま、終わってしまった。

そんな,いろんな意味でとっても話題があった作品が目の前のMacBook Proで観られるのだから、躊躇なくAmazonプライムビデオの門を叩いた。(クリックした)

庵野秀明という作家は真ごうごとき”雰囲気”作家。であると、実感した。

自慢じゃないが、なんとボクは、リアルで初代仮面ライダーをブラウン管テレビで見ている。子供のためのヒーローものなのに、それは、陰鬱と苦悩がとっても色黒いものだった。

全くスッキリも、くっきりもしない、子供たちのほとんどは、頭を抱えるほどの不理解に苦しむことになるだろうと思える作品だった。その中で、変わり者のボクはボク一人はこの作品のブラックチョコのような苦味をわかる男(子供)として、ほくそ笑んでいた。

予想通り、初っ端の仮面ライダーの話題は梨の礫だったらしい。

話がどんどん変な方向に流れてしまったので、軌道修正すると、言いたいことは、ツッコミどころはあまりにも多くて、陳腐な作品だったけど、その時の希少で唯一の”雰囲気”はもう満点。

庵野秀明という人は、枝葉は捨て置いて、作品の根みたいなものを、とても上手く模倣できる稀有な人だと実感する。

物語の空気や流れみたいなものが、それに合うか否かが作品の好き嫌い(良い悪いではない)の大切なところだ。この間、スパイダーマンのアニメを観たのだけど、すっごくよくできた作品で、これぞアニメ技術の粋をつぎ込み過ぎた素晴らしい作品だった。

だけど、ボク自身はその素晴らしさに置いてけぼりになったひとりだ。

次々濃厚な映像がフラッシュの如く怒涛に湧き出す演出と、途中挟まれるギャグ、そのテンポに全く素面では相思相愛になれなかった。正直、面食らったまま理解できないまま。

映像作品や映画に腕のある人々が絶賛しているので、まごうことなき名作の部類だったのだろうけど、流れるエンドロールを面食らったまま呆然としていた。

どうも、雰囲気と流れを掴めないまま終わったようだ。それが、はっきり言ってハリウッドの特撮映画に足元も及ばないお粗末な「シン・仮面ライダー」だったけど、みょうに納得して最後まで見る事ができた。

批判の多かった、CGでの戦闘シーンも好意的に受け止めた。すんなりと敵の基地に入り込めるご都合も、歯の浮く演技も、後半で妙な家族愛が差し込まれたり、好意的な雰囲気と流れで、まあいいかと楽しめた。心の中で、所詮作り物だからと変な許しを持てた。(何とも傲慢なこと)

てな、ところが感想かな。この雰囲気が気に入らないと、結構、辛いものになるかもしれないこの仮面ライダーは。

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